Daily Archives: 2012年1月11日

本の紹介35 実戦ボトムアップ・マーケティング戦略(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。

実戦ボトムアップ・マーケティング戦略
実戦ボトムアップ・マーケティング戦略

年末年始、マーケティングに関する本を読み漁りました。

10冊も20冊もマーケティングの本を読んでいると、だんだん共通する部分が見えてきます。

ここまでくると完全に確認作業です。

読み手の心に響くのは、抽象的な表現ではなく、具体的な事例だということがよくわかります。

これは、セミナー等でも同じことがいえますね。

この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

戦術を戦略に組み入れることは例外なく変更を加えることを意味する。・・・加えなければならない変更点は市場そのものではない。変えなければならないのは、自社あるいは自社商品である。
何が変えられず、何が変えられるのか。市場は変えることができない。マーケティング上取り組んでも市場の構造や顧客の購入様式はたいして変えることはできず、見込み客の心を変えることなど実質的には不可能である。
」(168頁)

これは非常に重要な点です。

現状を変えようと思ったときに、どの部分を変えるのか。

結果、変えられない部分を必死に変えようと思っても、徒労に終わります。

「自社あるいは自社商品」を変えることはできます。 当然のことです。

これに対し、「市場」や「見込み客の心」を変えるは実質的には不可能であるということです。

問題はここからです。

この抽象的な表現を、いかに自分の仕事に落とし込むかがポイントです。

陥りがちな過ちは、自社商品を変更する際、「業界人目線」で良し悪しを判断してしまうということです。

例えば、弁護士の目線で法律事務所のサービス内容の良し悪しを判断すると、判断を誤る可能性があります。

なぜか?

それは、判断の前提が、顧客と大きく異なるからです。

弁護士(業界人)の「当たり前」や「常識」は、顧客(非業界人)のそれとは明らかに異なります。

この認識の差は、業界に入ってからの時間と比例して広がっていきます。

自社商品を変更する際は、顧客、つまり非業界人の視点で検討をしなければいけません。

業界人にとっては、「そんなの、意味あるの?」というサービスも、非業界人にとっては大いに意味があるということはいくらでもあります。

日ごろから、このあたりを意識してさまざまな業界のサービスを観察していると、ヒントはたくさん転がっていますよ。