本の紹介33 トレードオフ-上質をとるか、手軽をとるか(企業法務・顧問弁護士@静岡)

こんにちは。

さて、今日は、本の紹介です。
トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか
トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか

この本は、題名通りの内容です。

さまざまな例を取り上げて、説明しています。

要するに「中途半端はダメよ。どちらかにしなさい。」ということです。

上質か、手軽か、どちらかに決めたら、とことん決めた方向で攻めなさいという話です。

とにかく読んでいておもしろいです。

おすすめです。

この本で、「いいね!」と思ったのはこちら。

上質さと手軽さ、どちらも秀逸ではない商品やサービスは、『不毛地帯』に追いやられかねない。消費者にどっちつかずの経験しか提供できないのだ。」(26頁)

多くの企業の期待とは裏腹に、上質さと手軽さの両面で卓越するのは不可能なようだ。この双方を満たす状況には心くすぐるものがあり、『そこにたどり着ける、そうすれば素晴らしい繁栄を謳歌できるだろう』と期待をかける企業もある。だが、現実には、二兎を追う企業や商品は幻影を見ているにすぎず、経営資源や時間をムダにした挙げ句に迷走するだろう。」(27頁)

筆者が言っていることは、それほど難しいことではありません。

しかし、筆者が言う「トレードオフ」を確実に実行することができていない会社、あるいは途中からできなくなってしまう会社がとても多いのです。

「上質さ」と「手軽さ」の両方の市場を攻めたくなってしまうのです。

会社のカラーや理念と整合性が保てないサービスや行動を採用してしまうと、顧客は、わけがわからなくなってしまいます。

あらゆる層の顧客をターゲットとしたい衝動にかられるのはよくわかります。

しかし、この衝動に従ってしまうと、結局、すべてが中途半端に終わってしまいます。

「増やしていく」よりも「捨てる」ことの方がよほど難しいのです。

「捨てる」には勇気が必要ですから。

さて、弁護士業界でこの「トレードオフ」の考え方を取り入れるためには、どこに着目し、どのような具体策を展開していけばいいでしょうか。

私の事務所では、今月末から、早速、具体的なサービスを開始します。

御期待ください。