おはようございます。
さて、今日は、少し古いですが、チェーン店における管理監督者に関する通達をチェックします。
「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について」
この中で、具体的な判断要素を示した資料はこちらです(PDF)
日本マクドナルド事件判決を受けたものです。
注目すべきなのは、以下の文章です。
「管理監督者であっても過重労働による健康障害防止や深夜業に対する割増賃金の支払の観点から労働時間の把握や管理が行われることから、これらの観点から労働時間の把握や管理を受けている場合については管理監督者性を否定する要素とはならない。」
通常、裁判例を見ていると、タイムカード等により、労働時間を管理されている場合には、管理監督者性を否定する要素として考慮されています。
しかし、コトブキ事件判決で見たとおり、管理監督者であっても、午後10時以降の業務に対しては深夜労働の割増賃金を支払わなければいけません。
そのため、会社としては、何らかのかたちで午後10時以降の業務を管理しなければなりません。
裁判になり、従業員側から「労働時間を管理していたから管理監督者ではない」と主張された場合に、会社としては、この通達を反論の材料にすることが考えられます。
あくまで健康障害防止と深夜勤務の管理が目的であると。
管理監督者性に関する対応については、会社に対するインパクトが大きいため、必ず顧問弁護士に相談しながら進めることをおすすめいたします。