おはようございます。
今日は、労使協定の当事者についての話です。
労使協定の一般的な話ですので、継続雇用制度に限った話ではありません。
労使協定の労働者側当事者は、
1 「当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合」
2 1のような労働組合がない場合は、「当該事業場の労働者の過半数を代表する者」です。
労働組合が優先される理由は、労働組合の方が過半数代表よりも、労働者の利益をより有効に代表するであろうという判断によります。
なお、1の「労働者の過半数を組織する労働組合」とは、当該事業場を単位に組織された労働組合(事業所別組合)や当該事業所における支部組織である必要はありません。企業全体を単位とする企業別労働組合や企業外の単一組合であっても構いません。
では、2の過半数代表の適格性・選出方法ですが、この点については、労働基準法施行規則が平成10年に改正されており、同規則6条の2第1項は、過半数代表者について、以下の2点を要求しています。
①「法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと」
②「法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であること」
トーコロ事件(最二小判平成13年6月22日労判808号11頁)は、労基法上のいわゆる三六協定の締結をめぐり、親睦団体の代表者が自動的に過半数代表になることはできないと判示しています。
労基法施行規則との関係でいえば、②の要件をみたしていませんよ、ということです。
過半数代表と労使協定を結ぶ場合には、上記①、②をみたしているかに注意しましょう。
へたしたら労使協定そのものが無効になってしまいます。
実際の対応は、顧問弁護士に相談をしながら慎重に進めましょう。