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【労務管理⑲】有期契約社員を解雇するときの注意点は?

有期契約社員を、期間満了を待たずに普通解雇したいのですが、どのような点に注意しなければいけませんか?

有期契約労働者の期間途中の解雇については、民法628条で「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う」と規定されています。
また、労働契約法17条1項においても、「使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解除することができない。」と規定されています。
この「やむを得ない事由」とは、一般論として、期間満了まで雇用を継続することが不当ないし不公平と認められるほど特別重大な事由であるとされ、正社員の解雇における基準である「客観的に合理的で社会通念上相当と認められる事由」(労働契約法16条)よりも厳格であると解されています。
具体的には、労働者側の事情として、重い病気などによる就労不能、業務上横領などの悪質な非違行為等、会社側の事情として、天災事変や経済的事情により事業の継続が困難となった場合が考えられます。