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【労務管理⑯】懲戒解雇する場合は、解雇予告は必要ない?

従業員が会社のお金を横領したため、懲戒解雇しようと思います。懲戒解雇する場合、解雇予告は必要ないでしょうか。なお、当社の就業規則には、「懲戒解雇は、予告期間を置かずに即時解雇する。」と規定されています。

労働基準法は、使用者に対して、解雇する場合には少なくとも30日前の予告、あるいはこれに代わる解雇予告手当の支払を義務づけています。
ここでいう解雇には、普通解雇だけではなく、懲戒解雇も含みます
ただし、解雇予告、解雇予告手当には、次の場合には必要ないとされています。
①天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合
②労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合
今回、問題となっているのは、②です。「労働者の責めに帰すべき事由」とは、労働者の故意、過失またはこれと同視すべき事由のことをいいます。
懲戒解雇の場合は、労働者本人に責めにすべき事由がある場合が多く、実務でも懲戒解雇の場合は即時解雇にする扱いが一般的です(もっとも、懲戒解雇自体が無効であると判断されないように注意しなければいけません)。
上記①、②のいずれかに該当し、解雇予告、解雇予告手当が必要ない場合、事前に労働基準監督署長に申請し、①ないし②に当たることの認定を受けなければなりません。
この認定を「解雇予告除外認定」あるいは単に「除外認定」といいます。
なお、除外認定を受けずに即時解雇した場合は除外認定手続違反となり刑罰の対象となります。
もっとも、除外認定を受けない場合であっても、即時解雇の効力(有効か無効か)には影響ありません。