お知らせ【フランチャイズ契約⑪】加盟保証金と加盟保証金の返還時期
加盟保証金について教えて下さい。また、加盟保証金の返還時期についても教えて下さい。
1.加盟保証金とは、フランチャイズ契約に基づいて発生するフランチャイジーのフランチャイザーに対する債務を担保するために、フランチャイズ契約締結時にフランチャイジーからフランチャイザーに対して預託される金員をいいます。
2.加盟保証金が担保する債務は、ロイヤリティ支払債務が一般的ですが、フランチャイズ契約中に商品や物品の販売に関する事項やシステム使用料の徴収が定められている場合には、それによって生じた債務も担保されます。
3.加盟保証金の返還時期が直接争点となった裁判例は見当たりませんが、賃貸借契約の敷金の返還請求権の発生時期に関する判例が参考になります。
それによれば、「家屋賃貸借における敷金は、賃貸借終了後家屋明渡義務履行までに生ずる賃料相当額の損害金債権その他賃貸借契約により賃貸人が賃借人に対して取得するいっさいの債権を担保するものであり、敷金返還請求権は、賃貸借終了後家屋明渡完了の時においてそれまでに生じた右被担保債権を控除しなお残額がある場合に、その残額につき具体的に発生するものと解すべきである。」とされています(最高裁昭和48年2月2日判決)。
フランチャイズ契約も賃貸借契約と同様の継続的契約であり、契約終了後も債務の清算、マニュアル等貸与物の返却、商標・サービスマークの撤去などフランチャイジーがとるべき措置がかなり多いので、加盟保証金はそれらの措置の不履行まで担保する必要があります。
したがって、契約終了後のフランチャイジーの措置がすべて完了して初めて加盟保証金返還請求権は具体的に発生すると解されます。