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【労働者派遣⑥】派遣社員が横領を行っていた場合、派遣元にも責任を追及できる?
派遣社員が派遣先会社で横領を行っていた場合、派遣社員だけでなく、派遣元会社に対しても損害賠償を請求できますか。
1 労働者派遣契約では、派遣社員の行為に起因する損害についての損害に関する規定が設けられていることが通常ですから、ご質問のケースにおける派遣元会社の責任は、まずは、派遣元会社と派遣先会社との間における派遣契約上の規定によることになります。
2 仮に派遣契約において上記のような規定がなかったとしても、派遣元会社は、労働者派遣契約上、当該業務に関する適性を有する労働者を派遣先会社に派遣する義務を負っていると解されます。
そのため、派遣社員の不正行為により派遣先が損害を被った場合には、派遣元会社は、適性を欠く労働者を派遣したとして、派遣先会社に対して債務不履行に基づく損害賠償責任を負う場合があります。
さらに、派遣社員の行為が不法行為に該当する場合には、派遣元会社は不法行為に基づく使用者責任(民法715条1項)も負うことになります。
3 派遣先会社と派遣社員との間には直接の雇用契約関係はありませんが、派遣社員が不正行為を行った場合、派遣先会社は派遣社員に対して直接、不法行為(民法709条)に基づき損害賠償を請求できます。
また、派遣元会社が派遣先会社に対して損害を賠償した場合、当該賠償額について、派遣元会社は、派遣社員に対して、雇用契約上の債務不履行または求償権の行使(民法715条3項)により責任を問うことができます。
4 以上のとおり、派遣社員が不正行為を行った場合、派遣先会社は、派遣元会社・派遣社員のいずれに対しても損害賠償を請求することができます。
もっとも、認められる損害額については、派遣先会社にも相応の過失があるとして減額されることも少なくありません(いわゆる過失相殺)。
例えば、派遣先会社であるコンピュータソフトの開発等を行う会社が、派遣社員が出社拒否等をしたため、代替要員を確保しなければならなくなり、余計な人件費が生じたとして派遣元会社に対して損害賠償を請求した事案において、派遣先会社が指揮監督を行わず派遣社員に任せきりにしており、派遣社員の勤務不良による損害の発生には派遣先会社が大きく起因していたとして7割の過失相殺が認められた例があります((エフエム・アイ・キャリアスタッフ事件・東京地裁平成9年12月26日判決)。
2 仮に派遣契約において上記のような規定がなかったとしても、派遣元会社は、労働者派遣契約上、当該業務に関する適性を有する労働者を派遣先会社に派遣する義務を負っていると解されます。
そのため、派遣社員の不正行為により派遣先が損害を被った場合には、派遣元会社は、適性を欠く労働者を派遣したとして、派遣先会社に対して債務不履行に基づく損害賠償責任を負う場合があります。
さらに、派遣社員の行為が不法行為に該当する場合には、派遣元会社は不法行為に基づく使用者責任(民法715条1項)も負うことになります。
3 派遣先会社と派遣社員との間には直接の雇用契約関係はありませんが、派遣社員が不正行為を行った場合、派遣先会社は派遣社員に対して直接、不法行為(民法709条)に基づき損害賠償を請求できます。
また、派遣元会社が派遣先会社に対して損害を賠償した場合、当該賠償額について、派遣元会社は、派遣社員に対して、雇用契約上の債務不履行または求償権の行使(民法715条3項)により責任を問うことができます。
4 以上のとおり、派遣社員が不正行為を行った場合、派遣先会社は、派遣元会社・派遣社員のいずれに対しても損害賠償を請求することができます。
もっとも、認められる損害額については、派遣先会社にも相応の過失があるとして減額されることも少なくありません(いわゆる過失相殺)。
例えば、派遣先会社であるコンピュータソフトの開発等を行う会社が、派遣社員が出社拒否等をしたため、代替要員を確保しなければならなくなり、余計な人件費が生じたとして派遣元会社に対して損害賠償を請求した事案において、派遣先会社が指揮監督を行わず派遣社員に任せきりにしており、派遣社員の勤務不良による損害の発生には派遣先会社が大きく起因していたとして7割の過失相殺が認められた例があります((エフエム・アイ・キャリアスタッフ事件・東京地裁平成9年12月26日判決)。