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【遺産相続㉙】父が亡くなってから1年後に借金の存在を知ったのですが・・・
私の父は、多額の借金を抱えたまま、先日亡くなりました。父の相続人は、母と私の2人です。父の死亡後1年が経過した頃、私と母のもとに金融業者が来て、父の借金を返済するように求められました。私も母も父が多額の借金をしていることを全く知りませんでした。このような場合、もはや相続放棄をすることはできませんか?
相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に行わなければなりません(相続放棄の基本に関しては【遺産相続①】をご覧下さい)。
この期間のことを「熟慮期間」と言います。
この熟慮期間内に限定承認または放棄がされなかったときには、単純承認をしたものとみなされ、相続人に相続の効果が確定的に帰属します。
なお、熟慮期間は、利害関係人または検察官の請求により、家庭裁判所において伸ばすことができます。
たとえば、膨大な相続財産の調査に時間がかかる場合がこれにあたります。
伸長期間は、家庭裁判所が裁量によって定めます。
再度の伸長も可能です。
今回のケースでは、既に熟慮期間が経過しており、相続放棄は認められないことになりそうです。
しかし、判例は、個別具体的事件の事情を考慮して、①被相続人の死亡と自分がその相続人であることを知ってから3か月以内に限定承認または相続放棄をしなかったのが被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、②被相続人の生活歴、被相続人と相続人との間の交際状態その他諸般の状況からみて当該相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があって、相続人において上記のように信じるにつき相当な理由があると認められるときには、熟慮期間の起算点を緩和し、相続放棄を認めています(最高裁昭和59年4月27日判決)。
ここでいう「相続財産」とは、積極財産(資産)、消極財産(負債)を問いません(最高裁平成13年10月30日判決)。
このように最高裁判例によりますと、例外が認められるための要件はとても厳しいです。
もっとも、上記最高裁判例とは異なり、積極財産の存在は知っていたが、他の共同相続人に全遺産を相続させる遺言がなされていた場合(名古屋高裁平成19年6月25日判決)や、債務の存在は知っていたが、他の連帯債務者が返済するとの合意がなされていた場合(仙台高裁平成19年12月18日判決)に相続放棄を認めた例もありますので、諦めずに相続放棄をすることをお勧めいたします。
この期間のことを「熟慮期間」と言います。
この熟慮期間内に限定承認または放棄がされなかったときには、単純承認をしたものとみなされ、相続人に相続の効果が確定的に帰属します。
なお、熟慮期間は、利害関係人または検察官の請求により、家庭裁判所において伸ばすことができます。
たとえば、膨大な相続財産の調査に時間がかかる場合がこれにあたります。
伸長期間は、家庭裁判所が裁量によって定めます。
再度の伸長も可能です。
今回のケースでは、既に熟慮期間が経過しており、相続放棄は認められないことになりそうです。
しかし、判例は、個別具体的事件の事情を考慮して、①被相続人の死亡と自分がその相続人であることを知ってから3か月以内に限定承認または相続放棄をしなかったのが被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、②被相続人の生活歴、被相続人と相続人との間の交際状態その他諸般の状況からみて当該相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があって、相続人において上記のように信じるにつき相当な理由があると認められるときには、熟慮期間の起算点を緩和し、相続放棄を認めています(最高裁昭和59年4月27日判決)。
ここでいう「相続財産」とは、積極財産(資産)、消極財産(負債)を問いません(最高裁平成13年10月30日判決)。
このように最高裁判例によりますと、例外が認められるための要件はとても厳しいです。
もっとも、上記最高裁判例とは異なり、積極財産の存在は知っていたが、他の共同相続人に全遺産を相続させる遺言がなされていた場合(名古屋高裁平成19年6月25日判決)や、債務の存在は知っていたが、他の連帯債務者が返済するとの合意がなされていた場合(仙台高裁平成19年12月18日判決)に相続放棄を認めた例もありますので、諦めずに相続放棄をすることをお勧めいたします。