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【交通事故⑫】「入通院付添費」「入院雑費」ってなに?
被害者が、看護体制が十分ではない病院に入院することになれば、職業付添人や近親者が付き添う場合があります。
この場合には、職業付添人では実費全額、近親者付添人では1日6500円(目安)が認められます。
ただし、病院の看護体制や被害者の年齢、重症度などによっては付き添いが必要ないと判断される場合もあります。
このとき、医師の指示書がないと、付添いが必要かどうかの判定ができないとして認められない可能性がありますので、医師の指示書をもらっておくとよいでしょう。
なお、一人で通院できない場合も付き添いが必要になりますが、この場合には、通院付添費として、1日3300円(目安)が認められます。
付添人の数は、原則として1人ですが、被害者が重態である場合(脳挫傷で意識不明の重態となった男性26歳に、職業付添人のほかに、近親者付添費として合計400万円余を認めたもの(仙台地裁平成9年8月28日判決)や、幼児である場合(和歌山地裁昭和44年3月20日判決)に職業的付添人費用のほかに近親者(母・妻)の付添費の請求を認めた例があります。
近親者が業務を休んで付添いをした場合、休業損害に相当する額を付添費として認めた例(山口地裁宇部支部昭和55年1月28日判決)もありますが、最近では、近親者の休業損害を基準とすべきではなく、職業的付添人を雇い入れた場合に準じて算定するのが一般的です。
2 入院雑費
入院中には、洗面用具や寝具、紙おむつ、電話代などさまざまな雑費が必要となりますが、これらの雑費も損害と認められています。
入院雑費は、かかった費用すべての領収書を被害者に提示させて立証することが困難です。そこで、保険会社は、自賠責保険の入院雑費「1日1100円(領収書不要)」という基準を提示してくることがよくあります。
しかし、判例では、1日1500円という定額の雑費を認めていますので、無理に1100円という額を受け入れる必要はありません。