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【遺産相続㉝】遺産分割に関連する付随問題についての対応方法は?(その1)
遺産分割調停における遺産分割に関連する付随問題には具体的にどのようなものがありますか。また、それらの問題についてはどのように対応すればよいですか。
実務上、遺産分割調停事件において、しばしば問題となる付随問題には以下のものがあります。
①使途不明金に関する問題
使途不明金の問題は、相続人の一人が無断で、被相続人の死亡直前に被相続人名義の預貯金を引き出してしまう場合や、被相続人の死亡後に、被相続人名義の預貯金口座から金員を引き出してしまう場合に生じます。
調停において使途不明金の主張がなされる場合には、預貯金を管理する相続人が、預貯金払戻しの経緯とその使途を開示し、資料を提出することになります。
任意に資料の開示がなされない場合には、弁護士会照会等により金融機関に入出金状況を明らかにすることになります。
なお、被相続人の了解のもとで預貯金が払い戻され、特定の相続人が贈与を受けた場合は、特別受益の問題となります。
特別受益については、【遺産相続⑳】、【遺産相続㉑】をご参照下さい。
②葬儀費用ないし遺産管理費用の清算の問題
葬儀費用(通夜・告別式・火葬等の過程で要する費用)は、相続開始後に生じた債務であり、また、一時的には祭祀主宰者(喪主)が負担することとなり、相続財産に関する費用とも言えませんので、その支出金額や分担について争いがあり、調停の中で調整が図ることができない場合には、民事訴訟手で解決されることになります。
なお、遺産分割調停において、当事者の一方が葬儀費用等の支出額及びその内容に疑問があるとして、それらの資料の提出を求めた場合は、他方当事者は、速やかにその資料を提出し明細を明らかにするとともに、香典等を含む収支明細を明らかにするべきです。
遺産管理費用(固定資産税などの公租公課、遺産が賃借権であるときの賃料(地代)、家屋の修理費・改装費、土地改良費、火災保険料の支払、遺産の賃借人に対する立退料など)についても、上記葬儀費用と同様です。
③遺産収益(相続開始後の賃料、配当金など)の分配の問題
実務では、遺産収益は、遺産とは別個の共同相続人の共有財産であることを前提としつつ(最高裁平成17年9月8日判決)、当事者全員がこれを遺産分割の対象とする旨の合意をした場合には、遺産分割対象に含めることができる(東京高裁昭和63年1月14日決定)とする運用をしています。
④相続債務の整理・分担の問題
金銭債務(相続開始前の債務)は、相続により当然に各相続人に法定相続分で承継されるため、遺産分割の対象とはならないのが原則です(最高裁昭和34年6月19日判決)。
調停実務においては、相続人の一人が遺産を単独で取得する代わりに、債務も全額負担する内容の協議が成立することがありますが、その場合、債権者(金融機関等)が承諾しない限り、他の相続人が債務の負担を免れることはできないので、調停成立前に債権者へ承諾できるか確認をする必要があります。
⑤相続人固有の共有持分の問題(被相続人との共有不動産)
被相続人の持分と相続人らの固有の共有持分を含めた解決は、調停でなければできません(最高裁平成20年12月11日判決参照)。
すなわち、相続人ら固有の持分の共有関係の解消は、民法上の共有物分割となり(民256条)、その部分は審判手続には移行しません。
⑥遺言の執行をめぐる問題
遺言書が存在するが、遺言書を作成した当時と相続開始時で相続人の範囲や遺産の内容に変化があり、遺言の執行が事実上困難な場合があります。
共同相続人間における相続財産の分配のやり直しの問題は、「遺産分割後の紛争調整」ないし「親族間の紛争調整」として一般調停事件になるにすぎません。
したがって、遺産分割事件の対象となるのは、遺言書に記載のない未分割の財産だけということになります。
①使途不明金に関する問題
使途不明金の問題は、相続人の一人が無断で、被相続人の死亡直前に被相続人名義の預貯金を引き出してしまう場合や、被相続人の死亡後に、被相続人名義の預貯金口座から金員を引き出してしまう場合に生じます。
調停において使途不明金の主張がなされる場合には、預貯金を管理する相続人が、預貯金払戻しの経緯とその使途を開示し、資料を提出することになります。
任意に資料の開示がなされない場合には、弁護士会照会等により金融機関に入出金状況を明らかにすることになります。
なお、被相続人の了解のもとで預貯金が払い戻され、特定の相続人が贈与を受けた場合は、特別受益の問題となります。
特別受益については、【遺産相続⑳】、【遺産相続㉑】をご参照下さい。
②葬儀費用ないし遺産管理費用の清算の問題
葬儀費用(通夜・告別式・火葬等の過程で要する費用)は、相続開始後に生じた債務であり、また、一時的には祭祀主宰者(喪主)が負担することとなり、相続財産に関する費用とも言えませんので、その支出金額や分担について争いがあり、調停の中で調整が図ることができない場合には、民事訴訟手で解決されることになります。
なお、遺産分割調停において、当事者の一方が葬儀費用等の支出額及びその内容に疑問があるとして、それらの資料の提出を求めた場合は、他方当事者は、速やかにその資料を提出し明細を明らかにするとともに、香典等を含む収支明細を明らかにするべきです。
遺産管理費用(固定資産税などの公租公課、遺産が賃借権であるときの賃料(地代)、家屋の修理費・改装費、土地改良費、火災保険料の支払、遺産の賃借人に対する立退料など)についても、上記葬儀費用と同様です。
③遺産収益(相続開始後の賃料、配当金など)の分配の問題
実務では、遺産収益は、遺産とは別個の共同相続人の共有財産であることを前提としつつ(最高裁平成17年9月8日判決)、当事者全員がこれを遺産分割の対象とする旨の合意をした場合には、遺産分割対象に含めることができる(東京高裁昭和63年1月14日決定)とする運用をしています。
④相続債務の整理・分担の問題
金銭債務(相続開始前の債務)は、相続により当然に各相続人に法定相続分で承継されるため、遺産分割の対象とはならないのが原則です(最高裁昭和34年6月19日判決)。
調停実務においては、相続人の一人が遺産を単独で取得する代わりに、債務も全額負担する内容の協議が成立することがありますが、その場合、債権者(金融機関等)が承諾しない限り、他の相続人が債務の負担を免れることはできないので、調停成立前に債権者へ承諾できるか確認をする必要があります。
⑤相続人固有の共有持分の問題(被相続人との共有不動産)
被相続人の持分と相続人らの固有の共有持分を含めた解決は、調停でなければできません(最高裁平成20年12月11日判決参照)。
すなわち、相続人ら固有の持分の共有関係の解消は、民法上の共有物分割となり(民256条)、その部分は審判手続には移行しません。
⑥遺言の執行をめぐる問題
遺言書が存在するが、遺言書を作成した当時と相続開始時で相続人の範囲や遺産の内容に変化があり、遺言の執行が事実上困難な場合があります。
共同相続人間における相続財産の分配のやり直しの問題は、「遺産分割後の紛争調整」ないし「親族間の紛争調整」として一般調停事件になるにすぎません。
したがって、遺産分割事件の対象となるのは、遺言書に記載のない未分割の財産だけということになります。