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【遺産相続⑱】生命保険金も遺産分割の対象となるの?
夫は、妻である私を受取人とする生命保険を残して死亡しました。この保険金も遺産として分割しなければならないのでしょうか?
生命保険金が被保険者である夫の遺産となるのかどうかは、保険金受取人が誰に指定されているかにより結論が異なります。
1 契約者である夫が被保険者で、かつ保険金受取人に指定されている場合
この場合には、夫は自己のために生命保険契約を締結したものと考えられ、保険金請求権は夫の遺産の中に組み込まれるので、遺産分割の対象となります。
2 契約者である夫が被保険者で、保険金受取人として特定の者が指定されている場合
この場合には、夫は他人のために生命保険契約を締結したものと考えられますので、保険金請求権は生命保険契約上、保険金受取人の固有の請求権を取得することになり相続財産とはなりません(最高裁昭和40年2月2日判決)。
ご質問のケースは、2の場合にあたりますので、保険金は遺産分割の対象とはなりません。
3 なお、保険金受取人が単に「相続人」と指定されている場合も、同じように保険金受取人である相続人の固有の請求権と考えられます(最高裁昭和40年2月2日判決)。
この場合には、民法427条の「別段の意思表示」があるものとして、各保険金受取人は、法定相続分の割合により権利を有することになります(最高裁平成6年7月18日判決)。
4 生命保険金が特別受益にあたるかについては、【遺産相続⑲】をご参照下さい。