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【個人再生⑩】「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」とは?
「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」とは何ですか?
1 個人再生手続における住宅資金特別条項は、住宅を手放さずに、経済的再建を支援するために設けられた制度です。
住宅ローン以外の負債はカットを受けますが、 住宅ローン自体はカットされません。
住宅ローンについては今までどおりの条件で支払うか、支払条件を変更(リスケジュール等)して最後まで支払うかの選択をします。
裁判所が再生計画を認可すると、住宅ローン以外の負債は3年から5年かけて支払い、住宅ローンについては、定まった条件に従って、引き続き支払いをしていきます。
2 住宅資金特別条項を利用するための基本的な要件は次の2つです。
①「住宅」の要件
ア 再生債務者が所有し(共有でもよい)、自己の居住の用に供する建物で、その床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら自己の居住の用に供されるものであること
イ 複数の建物がある場合には、そのうち主に住んでいる建物であること
②「住宅ローン(住宅資金貸付債権)」の要件
ア 住宅の建設若しくは購入(住宅の用に供する土地又は借地権の取得に必要な資金を含む。)又は改良に必要な資金に関するローンであること
イ 分割払いの定めがあること
したがって、期限一括弁済の貸付金は該当しません。
ウ 当該債権又は当該債権にかかる債務の保証会社の主たる債務者に対する求償債権を担保するための抵当権が当該住宅に設定されていること
求償債権は、保証会社の保証によるものに限られます。
保証会社が住宅ローン債権にかかる保証債務を履行して、債権者に代位して弁済した場合でも、その後6か月以内に民事再生を申し立てれば、本特別条項を利用できます(民再198条2項、196条3項)。
この場合、再生計画の認可決定確定により、保証会社による保証債務の履行はなかったものとみなされ(民再204条1項)、その結果、住宅資金貸付債権を有していた者が債権者として復活し、保証会社は再び保証債務を負担することとなります(いわゆる「巻き戻し」)。
これに対して、保証会社以外の保証人等が弁済者の法定代位によって住宅資金貸付債権を取得した場合は、「住宅資金貸付債権」に該当しません(民再198条1項)。
3 住宅ローン以外の抵当権が設定されている場合、たとえば、後順位に事業ローンがあるような場合、原則として、住宅資金特別条項を定めることができません(民再198条1項ただし書前段)。
これは、住宅ローン関係の抵当権以外の担保権者は、別除権者として別除権の行使をすることが可能であり、そうなると、再生計画でせっかく住宅資金特別条項を定めたとしても、別除権の行使によってそれが無意味になってしまう可能性があるからです。
住宅以外の不動産にも共同抵当権が設定されている場合においては、当該不動産についても住宅ローン関係の抵当権以外の担保権のほか当該抵当権に後れるものが設定されている場合にも、住宅資金特別条項を定めることはできません(民再198条ただし書後段)。
ただし、認可のときまでに当該抵当権が抹消されるか、抹消が相当程度に確実である場合に限り、住宅資金特別条項が使用できるという運用です。
4 また、ペアローン(夫婦がそれぞれ債務者となり、同一の不動産に担保権が設定されている場合)については、形式的にみると、本人の貸付債権以外のために担保が設定されていることになるため、住宅資金特別条項の運用ができないことになりますが、法の趣旨に照らし、原則として夫婦双方の申立てがあれば、住宅資金特別条項の利用も可能と運用されています。
一方のみの申立てでこれを認めた事例もありますが、担保権の実行がなされないことが確実で、個人再生委員も「相当」との意見を出したなど、個別の事情を考慮した例外的な事例です。
住宅ローン以外の負債はカットを受けますが、 住宅ローン自体はカットされません。
住宅ローンについては今までどおりの条件で支払うか、支払条件を変更(リスケジュール等)して最後まで支払うかの選択をします。
裁判所が再生計画を認可すると、住宅ローン以外の負債は3年から5年かけて支払い、住宅ローンについては、定まった条件に従って、引き続き支払いをしていきます。
2 住宅資金特別条項を利用するための基本的な要件は次の2つです。
①「住宅」の要件
ア 再生債務者が所有し(共有でもよい)、自己の居住の用に供する建物で、その床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら自己の居住の用に供されるものであること
イ 複数の建物がある場合には、そのうち主に住んでいる建物であること
②「住宅ローン(住宅資金貸付債権)」の要件
ア 住宅の建設若しくは購入(住宅の用に供する土地又は借地権の取得に必要な資金を含む。)又は改良に必要な資金に関するローンであること
イ 分割払いの定めがあること
したがって、期限一括弁済の貸付金は該当しません。
ウ 当該債権又は当該債権にかかる債務の保証会社の主たる債務者に対する求償債権を担保するための抵当権が当該住宅に設定されていること
求償債権は、保証会社の保証によるものに限られます。
保証会社が住宅ローン債権にかかる保証債務を履行して、債権者に代位して弁済した場合でも、その後6か月以内に民事再生を申し立てれば、本特別条項を利用できます(民再198条2項、196条3項)。
この場合、再生計画の認可決定確定により、保証会社による保証債務の履行はなかったものとみなされ(民再204条1項)、その結果、住宅資金貸付債権を有していた者が債権者として復活し、保証会社は再び保証債務を負担することとなります(いわゆる「巻き戻し」)。
これに対して、保証会社以外の保証人等が弁済者の法定代位によって住宅資金貸付債権を取得した場合は、「住宅資金貸付債権」に該当しません(民再198条1項)。
3 住宅ローン以外の抵当権が設定されている場合、たとえば、後順位に事業ローンがあるような場合、原則として、住宅資金特別条項を定めることができません(民再198条1項ただし書前段)。
これは、住宅ローン関係の抵当権以外の担保権者は、別除権者として別除権の行使をすることが可能であり、そうなると、再生計画でせっかく住宅資金特別条項を定めたとしても、別除権の行使によってそれが無意味になってしまう可能性があるからです。
住宅以外の不動産にも共同抵当権が設定されている場合においては、当該不動産についても住宅ローン関係の抵当権以外の担保権のほか当該抵当権に後れるものが設定されている場合にも、住宅資金特別条項を定めることはできません(民再198条ただし書後段)。
ただし、認可のときまでに当該抵当権が抹消されるか、抹消が相当程度に確実である場合に限り、住宅資金特別条項が使用できるという運用です。
4 また、ペアローン(夫婦がそれぞれ債務者となり、同一の不動産に担保権が設定されている場合)については、形式的にみると、本人の貸付債権以外のために担保が設定されていることになるため、住宅資金特別条項の運用ができないことになりますが、法の趣旨に照らし、原則として夫婦双方の申立てがあれば、住宅資金特別条項の利用も可能と運用されています。
一方のみの申立てでこれを認めた事例もありますが、担保権の実行がなされないことが確実で、個人再生委員も「相当」との意見を出したなど、個別の事情を考慮した例外的な事例です。