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【会社清算⑨】債務を弁済する際の注意点は?

清算手続において債務を弁済するに当たり、債権者の取扱いに関して留意することはありますか。

1 債権申出の公告
清算会社は、解散後遅滞なく、2か月を下回らない一定の債権申出期間を設け、その期間内に会社に対する債権を申し出るべき旨及び債権者が期間内に申出をしないときは、清算から除斥される旨を官報に公告しなければなりません。
官報記載の債権申出期間に申出をしなかった債権者(ただし、知れたる債権者を除く)は、清算から除斥され、その結果、未分配の残余財産について弁済を請求することしか許されなくなります
さらに、一部の株主に対して既に残余財産の分配が行われた場合には、未分配の残余財産が残っていても、他の株主に対しこれと同じ割合で分配するために必要な財産の部分については、そこから控除され、弁済を請求することはできません。
もっとも、除斥された債権者であっても、債権自体が消滅するわけではないので、自らの債権を自働債権として清算会社に対して負担する債務と相殺することは可能です。
2 知れたる債権者に対する催告
清算会社は、知れたる債権者(会社の帳簿その他により氏名・住所等を会社が把握している債権者であり、債権額が判明していることまでは必要ない)には、各別に債権申出の催告をしなければなりません。
知れたる債権者は、債権の申出をしなかった場合でも、清算手続から除斥されることはありません
3 弁済の制限
清算会社は、債権申出期間中、債務の弁済をすることができません。
しかし、清算会社は、債権申出期間中でも債務不履行責任を免れることはできません。
そのため、このような不都合を回避するため、法は、一定の債権に係る債務について、裁判所の許可を得て弁済することを認めています。
詳しくは、【会社清算⑩】をご参照ください。